農業は危険だった!?死亡事故割合、建設業の2倍…4割が80歳以上、目立つ高齢者

nougyou01トラクターの運転などの農作業中に、事故で死亡する人の割合が増加している。就業人口10万人当たりの死者数は、高所作業など危険と隣り合わせの仕事が多い建設業の2倍を超えている。背景には就業人口の減少に伴う高齢化がある。秋の収穫期を控え、農林水産省が注意を呼びかけているが、有効な解決策はないのが実情だ。 (高橋裕子)

「もう、これはダメだと思った。助かったのは運が良かったとしかいいようがない」。8月末、島根県安来市でトラクターの下敷きになり肋骨(ろっこつ)8本を折る大けがを負った男性(67)は当時をこう振り返った。

畑で作業を終えた帰り道、農道の隆起した場所にトラクターが乗り上げ、運転席から放り出されたところにトラクターが倒れてきた。周囲に人影はなく、燃料も漏れ出している。必死に大声を出したところ、数百メートル先にいた人が気付き、119番通報してくれた。

男性は「倒れたトラクターからよけられると思ったのだが体が動かなかった。入院した病院では同じような事故で2人が死亡している」と話す。

農水省によると、平成26年に農作業事故で亡くなった人は350人。統計を取り始めた昭和46年以降、毎年400人前後で推移しているが、母数の農業人口が減少しているため、10万人当たりの事故死者の割合は右肩上がりで、平成26年は過去最多の15・4人にのぼった。全産業の平均(1・7人)の9倍、危険度の高い作業が多い建設業(7・5人)と比べても2倍以上と突出している。

特に目立つのは高齢者だ。26年の死亡事故は65歳以上が295人と84・3%を占め、うち80歳以上は145人で41・4%だった。農水省の担当者は「年齢による判断能力の衰えもあるのだろう」と指摘する。

乗用型トラクターによる事故が最も多く、死者は95人。このうち「機械の転落・転倒」が75人と約8割を占め、操作ミスとみられる事故が複数あった。

国立研究開発法人「農研機構」によると、事故は操作ミスのほか「滑りやすい」「草で路肩が見えにくい」など農業特有の周辺環境も影響している。

広い農地で起きる事故は、目撃者がいないため、長時間発見されないことも多く、担当者は「もう少し早く見つかっていれば助かったのでは、という事例もあった」と打ち明ける。

農水省は、収穫の最盛期となる9、10月を安全対策の重点期間とし、農業従事者の集まる講習会などで安全意識の向上を呼びかけているが、決定的な解決策はない。担当者は「慣れた作業にこそ危険が潜んでおり、十分に気をつけてほしい」と訴えている。

Yahoo!ニュースより
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160926-00000068-san-soci

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